CTの必要性

7月14日7時1分配信 産経新聞より
東京都中央区八重洲の歯科医院で今年５月、人工歯根に人工の歯をつける「インプラント手術」を受けた、都内 に住む会社役員の女性（７０）が、手術中に出血し死亡していたことが１３日、分かった。警視庁中央署は業務上過失致死の疑いもあるとみて、遺体を司法解剖 するなど捜査を始めた。
　調べでは、インプラント手術は歯茎部分を切開するなどして人工歯根を差し込んだ上に、義歯を装着する外科手術。女性は５月２２日、６０代の男性院長から手術を受けている最中に出血が止まらなくなり容体が急変。すぐに別の病院に運ばれたが翌２３日に死亡した。
　警視庁は出血と死亡との因果関係を調べるとともに、手術に問題がなかったか、院長らから事情を聴いている。

という記事が掲載されていました。

この記事を読まれたは方々は、
「インプラントって危険なんだ！！」
「安全だと言っているけど、本当は危険なんだ。」
「インプラント治療を受けるつもりだったのだけれどやめる事にしよう。」
などと思われた事でしょうか？

インプラント手術において死亡事故が発生してしまった事はまげることが出来ません。
歯科治療・医療に携るものとしてはこのような事故が二度と起こらぬ為に、原因の追究と今後の安全性のために取り組む事が必要であると考えています。

インプラント手術に伴い生命を失うような危険性で一番考えられることは、血管の損傷です。
歯ぐきを剥ぐ時（メスで切ってひらく時）や、インプラント用のドリルで骨を突き破ってしまい、その下の血管を損傷してしまう事が考えられます。
必要な分だけしっかりと骨が見えるように、歯ぐきと骨を剥離して、確認したうえで、ドリル操作を行う必要があります。
安全性の向上のために歯科医師・歯科医院のスタッフの日々の研鑽とトレーニングが必要不可欠であると考えています。また、安全のために、十分な時間の確保が必要ですから、あすなろ歯科では、１日１症例の患者様にインプラント手術は限られていただいております。

また、どのような手術もそうですが、術前の診断と術前・術後の確認が安全性を向上させる最も重要な項目であると考えています。インプラント手術を受けていただく患者様ほぼ全ての方にＣＴレントゲンを撮影させていただいております。３次元での骨の状態・血管の位置や走行、病変の有無などを確認する事で、安全性は高レベルで向上させることができます。

平成20年１月より、ＣＴレントゲンを３次元でデジタル解析するソフトを導入しました。より、確実で安全な手術を行えるようになりました。
    
外科医が行う、「胃」や「肝臓」などの手術と同様、歯科の医療現場でも医療事故は隣り合わせにあります。

それを確実に回避するのは、確実な診断がまずは必要不可欠と考えます。
診断料として、少しかかりますが、手術を安全に行う費用とし考えると、決して高くはないと考えています。より安全で、確実な診療を続けたいと思っております。

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